ロウづけとは
ロウづけというのはDIYで使用されるテクニックのひとつで、同じ溶接とは言いながら、ハンダ付けよりも簡単にできる点が魅力となっています。
火花が散る電気溶接とは違い、トーチやガスバーナーなどを使って溶接するのがロウづけの特徴で、パイプやシルバーアクセサリーの接合でよく使われます。
数ある接合方法の中でも最古の冶金(やきん)技術と言われているロウづけは、古代エジプトの文化遺産に見受けられる他、奈良の大仏もロウづけによる接合が行われています。
ハンダ付けと大きく異なる点は融点温度で、ハンダが450℃なのに対して、ロウは45℃です。
融点温度こそハンダより低いものの、接合強度という点ではロウづけの方がはるかに強いのが特徴です。
ロウづけのメリット・デメリット
ロウづけにはさまざまなメリットがありますので、本格的にDIYに取り組みたいと考えているのであれば、ロウづけのテクニックを習得するのがおすすめです。
まず、ロウづけでは母材(溶接する素材)が解けることがほとんどないため、寸法精度が高く、緻密な仕上がりを期待することができます。
真空ひずみもほとんどないため、薄い板なども精密に接合することができ、しかも接合箇所が複数ある複雑な形状のものの接合にも適しています。
再加熱をすれば、接合部分を離すことができるのもロウづけの大きなメリットです。
一方、ロウづけのデメリットとしては、素材の組み合わせによっては浸食が起こってしまうことが挙げられます。
それに加えて、ロウづけでは接合部を直接見て確認することができないため、欠陥があった場合に場所を突き止めるのが非常に困難です。
ロウづけのやり方
ロウづけを行うために必要なのは、ろう、セラミックボード、ガスバーナー、つかみ、ワイヤーブラシ、フラックスなどです。
ろうには銀ろう、リン銅ろうの他に銅、黄銅、アルミなどの種類があります。
銀ろうは初心者でも扱いやすい素材で、銀、亜鉛、銅などが混じったものです。
母材がマグネシウムとアルミ以外の場合には、すべて銀ろうを使うことができます。
ロウづけをする際には、母材の表面に付着しているサビや油汚れをサンドペーパーで最初に落としてから、しっかりと固定します。
固定し終わったら接合する部分にフラックスを塗ります。
フラックスというのは金属同士の結合を補助する働きがある液体またはペーストのことです。
次に、ガスバーナーで接合したい部分を加熱します。
フラックスが溶けたらロウを流し込み、ろう材が接合部分にまんべんなく行き渡るようにします。
ロウづけが終わったら、母材が冷める前にワイヤーブラシなどを使ってフラックスを取り除きます。
ワイヤーブラシは真鍮製のものがおすすめです。