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ネジが空回りする原因と補修方法は?

ネジ穴のゆるみ

ネジが空回りする原因とは

ネジを締めたはずなのに、手応えがなく回り続けることがあります。この状態は「空回り」と呼ばれ、ネジ本来の固定力が失われている状態です。原因はいくつか考えられますが、多くはネジ穴が広がってしまったことに起因します。

家具や建材に使われる木材や樹脂は、時間の経過や繰り返しの締め直しでも劣化。内部の素材が削られていくと、ネジと穴の間に隙間ができ、しっかり固定できなくなります。また、元々のネジサイズが小さい、あるいは柔らかい素材に無理にネジを打ち込んだ場合なども、空回りが起きやすくなります。

とくに石膏ボードのような柔らかい下地では、下穴が保持力を持ちづらいため、ネジを締めた際に力が逃げてしまうことがあります。こうした症状は、日常のちょっとした振動や力でも進行していくため、早めに状態を見極めておくことが大切です。

補修の方法と手順

ネジ穴が広がってしまった場合でも、いくつかの方法で補修することが可能です。使う道具や素材に応じて、目的に合った方法を選ぶとよいでしょう。

家庭でよく行われている方法のひとつが、つまようじと木工用ボンドを使うやり方です。ネジ穴にボンドを入れ、折ったつまようじを数本差し込んで隙間を埋めます。乾燥後、はみ出た部分をカッターなどで切り取り、元の位置に再びネジを打ち込むと固定力が戻るでしょう。

補修専用のパテや木栓(ダボ)を使う方法もあります。市販の補修材を使用することで、より安定した仕上がりが期待できるため、強度が求められる部分におすすめです。ネジ穴そのものをふさいでから新たに下穴を開け直すことで、再びしっかりと固定できるようになります。

金属部材などでネジが空回りする場合は、専用の修復工具を使用するケースもあります。たとえば、スレッドリペアキットを使ってネジ山を再形成する、あるいはブラインドナットを挿入して新しい固定面を作る方法などが挙げられます。

空回りを防ぐための注意点

ネジの空回りは、一度起きると補修に手間がかかるため、事前に防ぐことが理想です。とくに家具や日常使いの道具では、施工時のちょっとした工夫で再発を防げます。

まず、ネジのサイズと用途の見直しです。素材に対して短すぎたり細すぎたりするネジを使うと、時間の経過とともに緩みやすくなります。初めて使用する場所には、適切な下穴をあけてからネジを打ち込むと、素材の負担も軽減できるでしょう。

また、下地そのものの状態を確認することも大切です。湿気や経年劣化により柔らかくなった木材では、ネジの保持力が落ちることがあります。必要に応じて補強材を挟む、下地を新しい素材に入れ替えるといった対応が効果的です。

家具などの可動部では、定期的にネジの締まり具合を確認しておきましょう。少し緩んでいる段階で締め直すことで、ネジ穴の損傷を防ぎやすくなります。