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失敗しないハンダづけのコツ

失敗しやすいハンダづけ

ハンダづけは、DIYの中でも上級者向けだと思っている人は多いようです。
確かに、ただ単にパーツを組み立てたりペンキを塗ったりするだけではなく、融点が450℃ぐらいもある軟ろう(ハンダ)溶接するわけですから、作業をする際には細心の注意を払う必要があります。
ハンダ付けはデリケートな作業で、せっかく付けたのにすぐに取れてしまったり、配線に電気がうまく流れてくれなかったりといった失敗が多いのも事実です。

ハンダ付けの失敗で特に多いのは「イモハンダ」と呼ばれる状態です。
正しいハンダ付けでは表面が滑らかで、富士山のような形になりますが、失敗すると表面がザラザラになってしまいます。
イモハンダになる原因は、加熱温度が低くてハンダがまだ完全に溶けていないのにコテ先を離してしまうのが主な原因です。
また、ハンダがまだ固まっていないうちに接合部分を動かしてしまったり、熱をかけすぎたりしてもきれいに仕上がらず、イモハンダの状態になってしまいます。

「ハンダ流れ」もよく見られる状態で、ハンダ付けの時間が長すぎる、あるいはハンダの温度が高すぎることによってハンダ付け以外の部分にまでハンダが流れ出てしまいます。
電気が流れない場合には、「トンネルハンダ」になってしまっている可能性があります。
外からはきれいにハンダ付けされているように見えても、ハンダ付け時間が不足していると電流が流れなかったり、ちょっと引っ張っただけでも簡単に外れてしまったりします。

電子回路では、電線の酸化や汚れによって電気が流れないケースもあります。
もうひとつ、ハンダ付けの部分が2箇所繋がってしまっているのが「ハンダブリッジショート」で、スイッチを入れたところで部品がショートして壊れてしまう可能性もありますので要注意です。

ハンダづけのコツ

ハンダ付けで失敗しないためには、「約250℃で、3秒間溶融させる」ことを遵守することが大切です。
温度調節機能付きのハンダごてで、コテ先の温度を340~360℃に設定しておきます。
こうすれば加熱し過ぎを防ぐことができるので、失敗が少なくなります。

もう一つ、気を配らなくてはならないのはコテ先の掃除です。
コテ先が黒ずんでいたり茶色になっていたりしたら汚れている証拠ですので、専用クリーナーとスポンジで汚れをきちんと落としましょう。
作業はできるだけ風の当たらないところでするように心がけることも、ハンダ付けで失敗しないコツです。
特に夏場で扇風機などがかかっていると、コテ先の温度管理が難しくなり失敗をしてしまうことがあります。

コテは寝かせて使用するのも、きれいなハンダ付けをするための重要なポイントです。
コテを寝かせることによって熱が一気に伝わるので、上手な仕上がりが期待できます。